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月末締め翌月末払いの実務|月末が土日・祝日のときの考え方
「月末締め翌月末払い」は日本の商取引で最もよく使われる決済サイクルです。ただし、月末が土曜・日曜・祝日に重なると、締め日と支払日をいつに設定するかで取引先と認識がズレることがあります。本記事では基本ルールとトラブル回避のコツを整理します。
月末締め翌月末払いとは
取引の決済条件の一種で、「ある月の最終日までに発生した債権を締め、翌月の最終日までに支払う」という取り決めです。たとえば4月に発生した請求は4/30で締め、5/31までに支払う、という流れになります。
キャッシュフローが比較的読みやすく、取引件数が多い業種で広く採用されています。ただし「月末」が銀行休業日や行政閉庁日と重なったときの扱いが、契約書や慣習によってまちまちであることが落とし穴です。
月末が土日・祝日のときの2つのパターン
パターンA:前営業日に繰り上げる
月末が土日祝の場合、その直前の営業日を実質の月末として扱う方法です。請求書の発行日・着金処理をすべて前倒しするため、受け取り側のキャッシュインが安定します。
例:2026年5月31日(日)が月末 → 5月29日(金)を実質の月末として処理。
パターンB:翌営業日に繰り越す
月末が土日祝の場合、翌月最初の営業日を実質の月末として扱う方法です。会計処理上は厳密に月をまたぐため、月次決算のタイミングに影響することがあります。
例:2026年5月31日(日)が月末 → 6月1日(月)を実質の月末として処理。
どちらが正解ということはありません。大切なのは、取引開始時に「当社は前営業日に繰り上げます/翌営業日に繰り越します」と文書で明確にしておくことです。ここを曖昧にすると後で必ずトラブルになります。
支払日が土日・祝日のときの扱い
請求書の支払期日が土日祝に当たると、銀行の振込処理ができないため、実務では以下のいずれかで対応します。
- 前営業日に前倒しして振り込む(受け取り側に早く届くので信頼を得やすい)
- 翌営業日に振り込む(支払い側の資金繰りに余裕が出る)
契約書に「支払期日が金融機関の休業日に該当する場合は前営業日に繰り上げる」と明記されているケースが多くあります。大手取引先ほどこの条項を入れている傾向があります。自社の契約書に明記されていない場合は、取引開始時に確認しておきましょう。
よくあるトラブル事例
事例①:締め日認識のズレで請求漏れ
4月30日(土)が月末で、発注側は「5月2日(月)までの発生分まで4月分」、受注側は「4月28日(木)で締めた」と認識。結果、4月29日(金)・30日(土)分の売上が翌月請求に回り、経理で金額が合わない現象が発生します。
事例②:GW直前の月末で支払遅延
4月30日が支払期日だったものの、GW前で銀行の混雑や担当者不在が重なり、実際の振込処理が5月7日(GW明け)まで遅延。契約書に「前営業日に繰り上げる」条項がなかったため、遅延損害金の請求に発展した事例もあります。
事例③:年末の支払処理で着金が翌年にズレる
12月31日が支払期日のケース。銀行は12/31が休業日のため、12/30の締め時刻前に振込処理する必要がありましたが、タイミングを逃して1月4日(年始最初の営業日)着金に。決算期の売上計上がズレ、経理で修正処理が必要になりました。
トラブル回避のチェックリスト
- 契約書に「月末が土日祝の場合の締め日・支払日の扱い」を明記する
- 月次締めの前週には、翌月カレンダーを確認して振込予定日を決めておく
- 年末・GW・お盆など連休を挟む月は、締め日・支払日を早めに再確認する
- 経理システムのカレンダー設定を、銀行休業日(12/31・1/2・1/3)に合わせる
ツールで正確な日付を確認する
月末・翌月末が何曜日か、銀行の営業日ベースで何日ズレるかは、Kazoerudeのカレンダーモードで一括確認できます。締め日・支払日の決定前にご活用ください。
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